奈良県奈良市 小児歯科・一般・矯正・審美・インプラント・無痛治療の林小児歯科

マイナス1歳からのお口の健康

子どもの歯の健康をそだてていくのは、いつからはじめるのが良いでしょうか?小児歯科の先生のあいだでも、意見はいろいろです。乳歯がはえそろってから、とか、乳歯がはえてきたらすぐ、とか、生まれたら歯がはえる前から、と様々な意見があります。当院の考え方は、おなかにできたら、さっそく生まれてくる子の歯をターゲットにした、お口の健康づくりがとても効果的だというものです。


●データその1
保健所で、妊婦歯科教室を受けた人と受けなかった人の出産後、歯がはえてきた子どもたちの口腔内を調査した結果、う蝕活動性試験の結果もムシ歯の本数も、2つの群で歴然とした差が出た。


●データその2
妊産婦を、う蝕活動性試験の結果でGood群とBad群に分け、さらにBad群を指導による検査値改善群と非改善群に分けたところ、1歳半、3歳での子どもの口腔内状態は、3群でそれぞれ、有意差が認められた。


●データその3
小児の口腔内に定着している、ミュータンスのタイプは母親のものと大部分が一致し、小児の歯の萌出後の早期に、垂直感染が起こっていることが、DNAレベルでも検証された。しかし、これをもとにした母親指導や情報の提示は、よりよい母子関係やスキンシップを十分考慮したものは少なく、無神経な警告であったり、母親の誤解や過剰反応を生み出す危険性をはらんだりしている。 <<ムシ歯菌は母親から子どもへうつるものなのか?のページへ>>


●データその4
口腔内のミュータンスは、3DSの施術で除菌できることが臨床レベルでも証明されてきている

 

当院では妊婦さんに対し、以下のようなことができます
●妊婦さんと胎児、乳児の歯の健康、口腔機能の理解を深めてもらう
●位相差顕微鏡を使って、口腔内細菌を認識してもらう
●母親へのPMTC、清掃指導をします
●希望者に3DSができます
●口腔機能の発達をふまえた、離乳食の相談をします
●口腔機能を理解した、口腔ケアを指導します
●萌出直後の効果的なフッ素塗布を行います

 

あかちゃんの歯そだて
赤ちゃんの乳歯のたね(歯胚)は、すでにおなかの中にいるとき、妊娠6~7週の初期からできはじめています。体長12ミリ、体重4g(1円玉4枚分!)で、超音波ではじめて心臓の動きが確認できたあの感動の瞬間には、すでに乳歯ができてきているのです。妊娠4ヶ月ごろからはその歯胚が石灰化してきてエナメル質が形成されます。そのころ、6歳臼歯(永久歯)の歯胚もできてきます。あかちゃんの栄養にまわる分はお母さんの身体からあげることになるので、お母さんの健康、あかちゃんの発育、あかちゃんの歯そだてのために、適切な栄養をとってください。

 

子どもを産むと歯を1本失う???   

おなかの赤ちゃんがお母さんの歯からカルシウムをうばうというのは俗説で、そんなことはありません。でも出産を境に歯が悪くなったと聞くことはしばしばあります。妊娠中はムシ歯の危険がいっぱいなのです。つわりで口を清潔に保ちにくい、食事回数が増える、唾液分泌が減る、唾液の中和する力(唾液緩衝能)が低下するなどの問題があります。その上、妊娠中も授乳中も歯科へ通うのが大変です。でも、お母さんの口を健康に保つことは、これから歯がはえてくる乳児のムシ歯予防に大きなカギとなります。定期的な歯科での健康管理を忘れないようにしてください。

  • 2017/04/21
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