奈良県奈良市 小児歯科・一般・矯正・審美・インプラント・無痛治療の林小児歯科

3DS:デンタル・ドラッグ・ディリバリー・システム ムシ歯菌除菌システム

最近になって、虫歯の原因菌を除去する方法が実用化されました。テレビでも紹介されましたが国立感染症研究所口腔科学部で開発されたDENTAL DRUG DELIVERY SYSTEM (3DS)という方法です。

 

虫歯の原因として広く知られているミュータンス菌(ストレプトコッカス・ミュータンス、ミュータンス連鎖球菌などといわれています)は歯の表面に形成されているバイオフィルム(生体薄膜)に定住します。このバイオ・フィルムは簡単には除去することができず、いったん感染すると生涯苦しめられてきました。しかし、国立感染症研究所口腔科学部の最近の研究で一定の期間口の中から排除することが可能であるということが示されました。

 

 

1. はじめに細菌検査をおこないます。

CAT21(シーエーティー21)検査を行います。

 

2. 歯垢を染め出して、記録します。ミュータンスが多いと、歯垢がたくさん付着するので、これを観察します。染色部位を歯みがき、フロスしてもらいます。

 

3. PMTC 歯面の徹底的なクリーニングを最初に行います。すでにできている虫歯の原因菌で汚染されたバイオ・フィルム(歯の表面にある細菌膜)を特殊な器具を使った口腔清掃で機械的に完全に除去します。バイオフィルムに覆われた部分があると除菌ができません。PMTCだけでもかなりの予防効果があります。

 

4. 除菌が必要な場合には、ご希望により除菌治療をします。

  歯の型をとり模型上でお口に合ったトレーを作ります。このトレーに除菌の薬剤を入れ歯面にあてて薬剤による細菌の除去をします。そして直ちにフッ素塗布をします(除菌治療直後にフッ素塗布をすることが有効です)。

 

5. ホーム・ケア

  除菌治療後一週間、ご家庭でこのトレーに家庭用フッ素ジェルを入れて毎日5分間上下の歯にはめていただきます。このご家庭での一週間のフッ素応用によって新しい、虫歯菌に感染していないバイオ・フィルムを歯の表面に形成することができます。また、常在菌の定着をミュータンスの再来の阻止のため、特に最初の数週間は砂糖の間食をゼロにし、その後も良い食生活を実行してください。

  • 2017/04/24
  • 院長のつぶやきコンテンツ