奈良県奈良市 小児歯科・一般・矯正・審美・インプラント・無痛治療の林小児歯科

奥歯の細道

 「末世歯少(まつよはしょう)」    奥の細道 松尾芭蕉

 

月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。

継ぎ歯は百万の価格にして噛み合う時もまた大変なり。 

 

舟の上に生涯をうかべ、馬の口とらえて老をむかふるものは、日々旅にして旅を栖とす。

コップの中に入れ歯をうかべ、人の口見ては羨ましがるものは、日々噛みにくく食事を苦痛とす。

古人も多く旅に死せるあり。

友人も多く口に義歯せるあり。

 

別バージョン(歯科関係者用)

月経費は百万の価格にして技工料もまた大変なり。

ビルの上に看板をかかげ、ヒトの口こじ開けて金を受け取るものは、日々苦心して借金を返済す。

苦労も多く早くに死せるあり。

 

ゆく春や鳥啼き魚の目は涙

抜く歯医者 歯の無き人の目は涙

あらたうと青葉若葉の日の光り

あらとうとう奥歯銀歯の歯の光り

夏草やつわものどもが夢のあと
口くさやバイ菌どもが増えた後

古池や蛙飛びこむ水の音

古入れ歯噛まず飲み込む水をくれ

 

蚤虱馬の尿する枕元

飲み込めず目白黒するマグカップ

 

閑かさや岩に染み入る蝉の声
冷たさがアゴに染み入る知覚過敏

五月雨を集めて速し最上川

歯乱れを 治して歯良し女神様

 

荒海や佐渡に横たう天の川
あら膿や 歯茎腫れてる奥の歯が

松島やああ松島や松島や
待つヒマや 歯科待つヒマや 待つヒマや

山路来て何やらゆかしすみれ草『甲子吟行』

咬み切って何やら揺れしすぐ抜けそう

 

梅が香にのつと日の出る山路哉  『炭俵』

梅を噛みどっと出る出る唾液かな

 

おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな 

おもしろうてやがて悲しきアゴはずれ

 

衰ひや歯に喰ひ当てし海苔の砂

これはこのまま

 

旅に病で夢は枯野をかけ廻る  『枯尾花』

歯に病んで 夢はケーキを食べまくる

 

本物鑑賞  

 

月日(つきひ)は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかふ年もまた旅人(たびびと)なり。

舟の上に生涯(しょうがい)をうかべ、馬の口とらえて老(おい)をむかふるものは、日々(ひび)旅(たび)にして旅(たび)を栖(すみか)とす。

古人(こじん)も多く旅(たび)に死(し)せるあり。

よもいづれの年よりか、片雲(へんうん)の風にさそはれて、漂泊(ひょうはく)の思ひやまず、海浜(かいひん)にさすらへ、去年(こぞ)の秋江上(こうしょう)の破屋(はおく)にくもの古巣(ふるす)をはらひて、やや年も暮(くれ)、春立てる霞(かすみ)の空に白河(しらかわ)の関こえんと、そぞろ神(がみ)の物につきて心をくるはせ、道祖神(どうそじん)のまねきにあひて、取(と)るもの手につかず。

ももひきの破(やぶ)れをつづり、笠(かさ)の緒(お)付(つ)けかえて、三里(さんり)に灸(きゅう)すゆるより、松島の月まず心にかかりて、住(す)める方(かた)は人に譲(ゆず)り、杉風(さんぷう)が別墅(べっしょ)に移(うつ)るに、

  草の戸も 住替(すみかわる)る代(よ)ぞ ひなの家

面八句(おもてはちく)を庵(いおり)の柱(はしら)にかけ置(お)く。

 

 

  • 2017/06/9
  • ワハハ歯歯歯