奈良県奈良市 小児歯科・一般・矯正・審美・インプラント・無痛治療の林小児歯科

歯周病に良く効く軟膏

歯周ポケット内部への抗菌剤の使用(化学的殺菌療法)

 

歯周病は歯周ポケット内の細菌による感染症ですが、これまで、歯周病の特効薬は無く、スケーリング・ルートプレーニングで機械的に菌を除去するしかない、とされていました。
うがい薬に抗菌効果を期待しても、無差別にすべての菌を殺菌しようとすることは良くないこと、口腔粘膜に害のない濃度で殺菌するのが不可能なこと、肝心な歯周病菌やむし歯菌は、バイオフィルムで保護されて効果がないこと、などがその理由です。

 

そこで、歯肉の炎症を取り除くために、歯周ポケット内部に抗性物質を直接注入し、除菌を行う方法が開発されました。この方法を 『局所薬物配送療法』といいます。

 

Local drug delivery system の頭文字をとって、LDDS または DDSとも呼ばれます。
2%塩酸ミノサイクリンという『抗性物質』の軟膏を使います。通常の口から服用する抗性物質は、腸から吸収され、血管へと入り、歯周ポケットヘ届きます。そのため一定量の抗性物質を服用しないと効果はありませんが、直接ポケット内部へ入れるLDDS法は、少量で済み、副作用 や 腸内細菌への影響などがない点が 利点といえます。
また、この軟膏は歯周ポケット内部で長期間効果が発揮できるように、持続性のコーティング加工がされています。
文献によれば、4~8回の注入が推奨されています。

 

ただ、清掃や従来通りのスケーリング・ルートプレーニングが省略できるわけではなく、まず、機械的にバイオフィルムを除去したあと、この軟膏を歯周ポケットに注入します。

 

林小児歯科では、キャロットくらぶ、キャロットジュニアくらぶの定期健診で活用しています。

  • 2017/05/8
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