指しゃぶりを考える
「どうすれば指しゃぶりをやめさせられますか?」という質問はよくあります。
こうやったらうまくいった、という一例をご紹介することはできます。しかし「こうすればいいですよ」と言うことは控えています。なぜでしょう?
あなたは、今日はどんな靴をはきましたか?ハイヒールですか?スニーカー、革靴、ブーツ、サンダル、登山靴、長靴、わらじ、はだし・・・。どうやって決めましたか?
指しゃぶりの弊害はたしかにあります。しかし、指しゃぶりに対応しようとする時には、指しゃぶりの状態も、その子の状態も、お母さんとその子の関係も、ひとりひとり違うので、靴選びの時に、服装、天気、道路行程、その他いろいろな事を判断されたように、よく考えていただきたいことがあります。それは、子育て全般に共通する、基本姿勢かもしれません。
基本姿勢
- 指しゃぶりをしているわが子を、いったんすべて受け入れてやってほしいと思います。「指しゃぶりがあるから」お母さんはぼくのことがきらいなんだ、ぼくのことを認めてくれない、という感覚は、指しゃぶりを助長します。
- 指しゃぶりを、なんでやってるのかしら?ということを考えてください。情緒の安定か?気持ちの整理か?冒険のはじまりに尻込みしているのか?満たされないものの代わりか?etc etc。答えは見つけられなくてもいいと思います。ただ、いったんわが子の立場、気持ちになってほしいのです。
- 子ども自身が、「やめよう」と決心していないのに、やめさせることはマイナスです。(将来ヘビースモーカーになったりして??)子どもの理解できるレベルで、「やめよう」と考えるには、なにを援助したらよいか、いかに情報を提供すべきか考えましょう。
- 「やめよう」と決心したとき、それに味方してください。対立するのではなく、やめさせる応援団です。交渉人や、処刑人、鬼コーチの顔をしていませんか? やっと方法論にはいります。子どもと一緒に考えましょう。ごほうび?遊び方?習慣?お父さん、お母さんが、自分のために知恵をしぼってくれるのは、うれしいことです。成長したい気持ちが湧き上がるのでは。
キーワード
- 指しゃぶりをやめることを押し付けない。
- 指しゃぶりを決してしからない。罰しない。
- 子どもがやった良い行動は、すかさずほめる。
- 保護者は、子どもの安全基地。
- やり方は、あなたと子どもの関係でいろいろ。今日と明日ではちがう。
林小児歯科 林 昌司
- 2017/08/2 健口への道