咀嚼(そしゃく)運動
食べ物を上下の歯で噛んで、小さく軟らかくして飲み込みやすくする一連の運動を「咀嚼」といいます。咀嚼は生まれつきの運動ではなく、乳児期から幼児期へと時間をかけて学習され身についていきます。咀嚼運動は腕や足の曲げ伸ばしなどに比べ、非常に複雑な運動です。顎は多様な筋肉でさまざまな方向に動き、歯根膜からの圧力情報で力をコントロールして、舌、頬、口唇と協調して食物を飲み込める形にしていきます。咀嚼により脳の活動が活発になることも証明されてきました。自分の歯を失った高齢期の方は認知症が進行しやすいとの研究データもあります。このように自分の歯を使って咀嚼することは、ただ栄養を摂るだけではない全身の健康にかかわる重要な役割があります。
- 2017/06/24 噛むこと