自宅か病院か?
がん患者が緩和ケアを病院で受けるか自宅かを迷うとき、患者は「自宅で死にたい」と望みつつ、病院より医療の質が低く生存期間が短くなってしまわないか?という不安感があることでしょう。2016年3月28日に米国がん協会医学雑誌に発表された筑波大学の浜野淳氏らの日本での大規模研究では、緩和ケアを必要とするがん患者は、自宅で過ごすほうが病院で死を迎える患者よりも長く生きることが明らかになりました。病院で死亡した約1,600人と自宅で死亡した約500人の患者を比較し、自宅で最期を迎えた患者の生存期間が大幅に長いという結果でした。浜野氏は「今回の研究で、実際は自宅で死を迎えることが患者の生存期間に悪影響を及ぼすことは全くなく、むしろプラスになることが示された。患者や家族は各自の意向と価値観に基づいて死ぬ場所を選ぶことができる」と語っています。
- 2017/06/26 口と全身の健康