お歯黒
お歯黒は、平安時代から江戸時代まで続いた日本古来の化粧文化です。明治政府が禁止したため、その後は徐々にすたれていきました。ところが、このお歯黒、ムシ歯予防の効果が非常に高かったのです。墓から掘り起こされたお歯黒の歯にはムシ歯がほとんどなく、またムシ歯が始まってから結婚してお歯黒を付け始めたと思われる女性では死ぬまでそのまま進行が停止していたことがわかっています。歯に着いた黒の被膜は、タンニン酸第二鉄といい、歯を保護し、耐酸性を向上し、防腐作用もあったのです。現在歯科で使われているムシ歯進行抑制剤は、先日97歳で亡くなられた山賀禮一先生が、これをもとに開発された日本の誇る歯科薬剤です。
- 2017/07/25 その他